素人が新うるしを使ったなんちゃって金継で磁器の入れ物を修復してみました

新うるしを使って磁器製の入れ物をなんちゃって金継で修復してみました。

大事にしていたショルテン & バーイングス デザインの S&Bコンテナーが驚くほどバラバラに割れてしまったので思い切ってなんちゃって金継をしてみます。

仮留めして確認

先ず割れた物がこれ。
気に入っていたので本来なら悲しみの中捨ててしまうのですが、
DIY好きは直ぐに立ち直って次の楽しみにワクワクし出します。

しかし かなり派手に割ってしまいました。

このバラバラになった残骸をひとつひとつパズルのように組み立てて一度仮留めをします。
はじめは分かりやすく 真っ二つに割れた蓋から。

仮留めなのでマスキングテープで留めていきます。
地味な作業ですがすこしずつ元に戻っていくのでプラモデル感覚で案外楽しくできます。

一通り留めてこの工程は終了。
テープだらけになりました。
やはり欠損して 無くなっているパーツが何か所かあります。
この場所は後程パテで埋めることにします。

ひとかけらずつ接着

次の工程は接着です。
仮留めしたものを1パーツ外しては接着剤を塗って貼り戻す、
この作業を延々繰り返します。

貼り戻すときはズレないように慎重に貼り戻します。
このときにズレてしまうと歪みができてどんどん帳尻が合わなくなっていきます。
取り返しのつかないことになります。

一通り接着が完了したら
梱包用のラッピング材できつくテンションを張りながら巻き付けていきます。

蓋のほうも同様に巻き付けます。
このように丸い形状のものはクランプ等で圧着するのが難しいので
ラッピングがとても重宝します。

巻き終わったらこのまま一日程度乾燥させます。
ラッピング材に覆われていると乾燥しにくいので
乾燥時間は長めにとったほうがよさそうです。

無くなったパーツのパテ埋め

次の工程は欠損した部分をパテで埋める作業です。
しっかり穴が見えますね、この部分以外にも数か所穴があるので全部埋めます。

パテ埋めの前にアルコールで汚れを拭いて油分を取り除きます。
こう言った拭き取り作業はキムワイプでします、
ティッシュペーパーのような毛羽立ちもなく強く擦っても平気です。

パテは主剤と硬化剤を混ぜて使うポリパテ「モリモリ40」。
プラモデルのパーツ作り等でよく使われているアレです。
ポリパテは硬化したあとの切削も簡単で使い勝手がとてもいいです。

先ず主剤を にゅ~っと

次に硬化剤を ぺっぺっと

そしてその二つを ねりねりねり

個人的にはポリパテの唯一の難点は匂いです。
ツーンとした刺激臭がします、
それを我慢しながら欠損した部分に塗って盛り上げていきます。

全部の穴を埋めたら乾燥させます。

パテの盛り上がりを削る

しっかり乾燥させたら盛り上がった余分なパテを削ります。
大まかな部分はハンドルーターで一気に削り取ってしまいます。
力加減間違えると削りすぎてへこんだり 本体に傷をつけてしまうので慎重に。

仕上げにサンドペーパーで均すように削って表面を整えます。
段差が出ないよう確認しながら行います。

新うるし を塗る

ここからようやく新うるしを塗る作業に入ります。
ですがその前に 下準備をします。

割れた個所が底面までまわっているので少し脚をつけて
地面においても底面が触れないようにしておきます。

材料は適当にストックにあったゴムのシート。
これまた適当な大きさに本体用とふた用に3枚づつ切ります。

こんな感じ、大きさは底面に貼り付けた時に
ひび割れた個所に干渉しない大きさに。

ゴムの裏に両面テープを貼り付けます。

それを蓋と本体の底面に3か所ずつ、
地面に置いたときに倒れないようなバランスで貼り付けます。

下準備がおわるとここから本番。
新うるしを塗ります。この新うるし とは本物の漆とは全く違って
植物性の樹液を主原料とした漆っぽく見えるよう調合された合成塗料です。

パレットに新うるしを出し

そのままでは若干固いので薄め液で伸ばします。

薄め液は原料に有機溶剤と書かれています。
匂いが強いので換気された部屋で使うことをお勧めします。
極力触らないようにと、そして適量混ぜられるように注射器を使っています。

筆でかき混ぜて粘りの固さを調整します。
目安はパレット上で混ぜたときに刷毛目がゆっくり消えていく程度の硬さ。

いい感じにできました。
早速蓋から、接着した部分のひび割れをなぞる様にゆっくり筆を動かします。
ズレないように集中、結構な緊張感。

裏面に周って凹んだ部分は素人にはなかなかの難易度。

本体のほうは凹凸も少なく持ちやすいのでスラスラと進みます。
思ったより簡単に終われそうだとこの時は思ってました。

ひびの合流地点。パテで埋めた場所は新うるしを多めに乗せて面で塗ります。
凹凸も少なく持ちやすいのでスラスラと進みます。
簡単に終われそうだと
この辺りまでは思ってました。

作業が進むにしたがって持つ場所がどんどん無くなって、最後のほうはつまむ程度。
しかも内側は筆がまっすぐ当たらないので線が太くなったり 細くなったり。
塗った場所に指が当たって擦れてしまったり。

まあこれも味という事で。
愛着がわくDIYが出来ればクオリティは問題なし。
どうせ使うの自分だし。

真鍮紛で金色に光らせる

続いて 真鍮の粉をふりかける作業ですが、
本で見た金継の道具で、金粉をふりかける筒がとても便利そうだったので
見様見真似でつくってみました。

筒状の物を用意して(私は要らなくなった筆の先を取ったものを使いました)側面に穴を開けます。
筒の先は斜めにカットして100円ショップで買ったザルのメッシュを張り付けてます。
それだけで完成です。

使い方は側面の穴に真鍮の粉を入れて指でトントンと叩いて
振動を与えると筒の先のメッシュから粉が舞うように出てくる
とてもシンプルな構造です。

狙った個所に量を調整できるでいいのですが
筒が細すぎたせいか一度に出る量が少なくて時間がかかりました。
改良の余地ありですね。

指が疲れるので持ち方を変えたりしながら全体にふりかけていきます。

一通り終わったら次は、はみ出た粉を刷毛で漆の上に寄せていきます。
これでムラがなくなって均一になります。

本体側は少し掛かりすぎのようです。

全体になじませることが出来たらこのまま乾燥させます。
新うるしは本漆とは全く違うものなので湿度管理も不要、
ムロに入れたりせず自然乾燥で大丈夫です。

綺麗に磨いて完成

完全に乾燥したら水拭きで余分な真鍮紛を拭き取ります。

漆以外の場所についた粉はほとんどが水拭きだけで落ちてくれます。

所々漆がのびてしまった個所や粉が残ってしまったりした箇所は
アルコールを使って擦り取ります。

直接漆の場所を擦らないように気を付けながら拭き取ります。


光が当たると反射して綺麗に光ります。

これで全行程終了です。結構時間のかかる作業ですが、
この新うるしを使ったなんちゃって金継なら
さほど難しいこともなく楽しみながら終えることが出来ました。


本漆のような重厚さや職人のような繊細さは無いですが、
個人的には十分納得のいく仕上がりになったと思います。

捨てるはずだったものが また使えるようになって、
その上愛着が湧く一点モノに変わりました。

使っている道具

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